つまる音(促音)の指導
小さい「つ」は、口を見れば見つかる 〜 なんとなくわかる教育研究所 〜
小さい「つ」が書けない子、ぬけてしまう子は、とても多いです。5年生・6年生になっても、作文で小さい「つ」をまちがえる子がいます。
赤ペンで「小さい〈つ〉がぬけているよ」と直しても、同じまちがいをくり返します。書けない子の多くは、その前に「すらすら読めていない」。すらすら読めない子は、もっと手前で「つまっていることを感じられていない」からです。どこでつまっているかが、わからないのです。
感じるところから、ゆっくりじっくり時間をかけられるのは1年生だけ。最初で最後のチャンスだと思って、たっぷり取り組んでほしいと思っています。
手をたたく前に、口を見る
小さい「つ」の場所がわからない子に、「手をたたいて考えてごらん」と声をかける先生がいます。でも、どこでつまっているか感じられない子は、手もたたけません。
大切なのは、その前。大きな口で、しっかり発音することです。「らっぱ」をゆっくり言ってみてください。小さい「つ」のところで、口がくっつきますよね。子どもたちは、これなら見つけられます。
① 大きな口で、ゆっくり言う
② 口がくっついたところを見つける
③ そこで手を「ぐー」
「まずはしっかり発音。口を意識してから、手」。この順番が大事です
教え方
とじた口を教える
母音(あ・い・う・え・お)の口の学習をたっぷりやったあとで
- 「今日は〈あ・い・う・え・お〉とはちがう口を教えます。この口です!」と、とじた口の絵を見せる。ほとんどの子は「ん〜」と言います。
- 「そうだね、〈ん〉も同じ口。でも今日は音なし! だまって、この口!」と伝えて、何も言わずに口を閉じる練習をみんなでする。これが「つまる」の合図です。
- 「今日は、この口がどこに入るか見つけるよ〜」と言って練習開始。「せーの、らっぱ!」と、みんなで大きな口で、ゆっくり。
- 「つまってたよね。つまってるところで手をたたくよ。せーの、らっぱ!」 オーバーなくらい大げさにやってあげてください。
- 「〈ぐー〉をしたところ。そこに小さい〈つ〉を書くんだよ」と教えて練習すると、苦労していた子も見つけられるようになっていきます。
- それでも苦労する子には、先生の口を見せる。「よく見てね。先生の口。らっこ。ほら、閉じたでしょ。そこでぐーだよ」。なれてくると、自分の口でも見つけられるようになります。
じつは、これは正しい口の形の指導ではありません。小さい「つ」のあとに、はじける音がくる言葉が多いので、たまたまこの口になるだけです。「スリッパ」「かっぱ」「コップ」はこの口になりますが、「トラック」「にっこり」はなりません。それでも、一拍おく合図として一番わかりやすいので、はじめはこのやり方がおすすめです。
動作化のルール。つまる音は「ぐー」。音記号では、小さい「つ」を「・」で表します。
ダウンロード(無料)
A4で印刷して使います。カードはラミネートしておくと長く使えます。マッチングゲームは、百円ショップの名刺用紙(A4・10面)に印刷すると、切らずにそのまま使えます。
とじた口(2ページ)
「音なしの口」のカード。この口が、つまる音の合図
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口形カード(5ページ)
あ・い・う・え・お の口の形。つまる音の前に、ここをたっぷり
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つまる音シート
●●● / ●・●● などの音記号の台紙。絵カードをならべて遊ぶ
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つまる音マッチングゲーム(3ページ)
絵カードと音記号カードをそろえる。名刺用紙に印刷して
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マッチングゲームのあそびかた
めくる →「どうですか?」→「おっけー!」。基本ルールと動作化の表
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ことばチャレンジ(6ページ)
絵を見てことばを読む1分チャレンジ。つまる音とのばす音
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ルールを教えたら、たっぷり遊ぶ
ことば絵カード(つまる音)・マッチングゲーム
ルールを教えるのは短く。遊ぶ時間をたっぷりと
- カードをまぜて、うら向きの山をつくる。順番にめくります。
- めくった絵を、動作化しながら言う。「きって」なら ●・●。音記号のところにカードを置きます。
- 2まいが同じ音記号だったら、めくった人がカードをもらえます。ちがったら、うらに返してもどします。
つまる音は、のばす音・ねじれる音といっしょに、同じルールのゲームで遊べます。おすすめの順番は「のばす音①→つまる音→のばす音②→ミックス→ねじれる音」。1セットで1〜2か月、じっくり遊んでから次へ。
大事にしてほしいこと
① 書けないことを、あまり指摘しない
作文や日記の中で小さい「つ」が書けていなくても、あまりまちがいを指摘しないであげてください。「書く」「使いこなす」は、いちばん難しい段階です。日記や作文では、「こんなことが伝えたかった」という気持ちを、最大限に受け止めてあげてほしいのです。読みの指導は、別の場面で確保していきましょう。
② 教科書の1時間では終わらない
つまる音・のばす音・ねじれる音は、教科書では1時間ずつで終わってしまいます。でも、それで身につく子ばかりではありません。1年間やり続けて、ようやくつかめる子もいます。あせらずに。
③ 「教える→わかる」ではなく「続ける→なれる」
感覚を育てるには時間がかかります。ルールを理解してもらうことが第一。そのあとは、マッチングゲームやことば絵カードで遊びながら、「つまる音」を意識できる経験をたっぷり積ませてあげてください。
もっと知りたい先生へ
なんとなくわかる教育研究所では、ひらがなの特殊音節(つまる音・のばす音・ねじれる音)の指導をはじめ、ゆっくり学ぶ子どもたちが「ことば」や「数」となかよくなれる教材と授業を、先生方といっしょに研究しています。
Zoomでの学習会・講座を毎月開いています。講座のアーカイブ動画は、プレミアム会員の方がいつでも見られます。
👹 のばす音(長音)の教え方は → のばす音(長音)の指導
🔺 小さい「や・ゆ・よ」の教え方は → ねじれる音(拗音)の指導